講座紹介
Course introduction

教授ご挨拶

京都大学大学院医学研究科 放射線医学講座(画像診断学・核医学) 教授 中本 裕士
京都大学大学院医学研究科
放射線医学講座(画像診断学・核医学)
教授 中本 裕士

令和2年(2020年)11月に当講座の教授に着任いたしました中本裕士です。 京都大学大学院医学研究科放射線医学講座(画像診断学・核医学)を代表して皆様にご挨拶申し上げます。  当教室は1945年に「放射線医学講座」として開講しました。 初代の末次逸馬教授(1945-1951年)、2代目の福田正教授(1951-1972年)と続き、 3代目の鳥塚莞爾教授(1972-1987年)在任中の1976年に核医学画像診断学講座が開講し、 そのまま初代教授に鳥塚莞爾教授が着任、2代目の小西淳二教授(1987-2003年)、 3代目の富樫かおり教授(2004-2020年)に次いで、私で4代目となります。 画像診断学・核医学講座は、附属病院では放射線診断科として、CT、MRI、核医学検査などによる 画像診断およびIVR(Interventional radiology)を担当しています。

画像診断学の歴史は1895年にレントゲン博士によるX線の発見に始まります。 現在の医療現場で画像診断として頻用されているX線CTが世に出たのが1970年代であり、 歴史はそれほど長いわけではありませんが、 医用工学やコンピューター技術の進歩に伴って画像診断機器は絶え間なく進歩しており、 得られる画像は質・量ともに飛躍的に増大しています。 さらに最近はIT(information technology) の発展もあいまって、 仕事のスタイルまでもが変わりつつあります。 ともすれば膨大なデータに溺れてしまいがちですが、 昨今AI(artificial intelligence) を用いて人間の力を補う方向に展開しつつあります。 機械の得意とするところと人間が得意とするところを調和させ、 多くの業務がより的確にこなせるようになるであろうと期待されています。

画像診断は、既存の医療機器を用いて画像化したものを単に読影することに留まるものではなく、 これまで見えなかったものに対しても新しい医薬品や医療機器を用いて描出する、 可視化する、診断できるようにする、といった未来志向も常に求められています。 画像診断を発展させるためには、画像診断を依頼する診療科、医療機器や材料の開発を手がけるメーカー、 新しい検査薬の開発を担う薬学部や製薬メーカー、医療特区の利用などでは規制面に携わる行政の方々など、 様々な専門性を背景にもつ多くの人々との協力関係のもとに 臨床や研究を進めていくことが必要不可欠と考えられます。 これまでの諸先生方が築かれた信頼関係を元に、 さらに質の高い医療が提供できるように教室員一同、努めて参る所存です。

沿 革

1945年(昭和20年)に開講した放射線医学講座から、 1976年(昭和51年)に核医学講座が分離独立した(鳥塚完爾初代教授)。 当初の科の使命は講座名の如く核医学研究にあったが、画像診断学の著明な発展に伴い 、1987年(昭和62年)、核医学・画像診断学講座に名称が変更され、小西淳二教授が就任。
2004年(平成16年)、富樫かおり教授時にはさらに画像診断の比重が重くなっていることが考慮され、 2005年(平成17年)、大学院講座名が「放射線医学講座(画像診断学・核医学)」に変更となった。
2006年(平成18年)、診療科名も同様に科の実質的な業務内容に即したものとすべく 「核医学科」から「放射線診断科」に変更された。 現在は放射線治療科(旧放射線科)と連携しつつ、 放射線診断(画像診断)の診療・教育・研究にあたっている。